読書記録『オオカミは大神 狼像をめぐる旅』(青柳健二)

オオカミは大神 狼像をめぐる旅 作者:青柳 健二 発売日: 2019/04/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) オオカミ関連でもう一冊。日本のオオカミが祀られた神社をめぐる旅。たくさんのオオカミ像(神社で狛犬と同じ役割になっている)や、オオカミが描かれたお…

読書記録『オオカミと人間』(バリー・ホルスタン・ロペス)

オオカミと人間 作者:バリー・ホルスタン・ロペス メディア: 単行本 同じく角幡唯介氏の推薦書。 オオカミと人間との関わり合い(特に北米におけるオオカミ「迫害」)を描く。オオカミの生態そのものというよりは、タイトルの通り重きを置かれているのは人間史…

読書記録『月と六ペンス』(サマセット・モーム)

月と六ペンス (新潮文庫) 作者:サマセット モーム 発売日: 2014/03/28 メディア: 文庫 角幡唯介氏の本で紹介されていたのと、最近ノンフィクションの読書が多いのでその反動で小説を読みたくなり。 ある地味な妻子ある中年男が、突然家族を捨てて消えた。恋…

マスクしてトレッドミル

きのうは通っていたジムをついに退会してきた。たいしたことはないような気がしていたが、なにかを失ったようで、なんだか少し寂しい。 とはいえ、ジムに通って知り合いになったトレーナーさんがいるとか、友だちができたとかそういうことではなく、生活にお…

読書記録『旅人の表現術』(角幡唯介)

旅人の表現術 (集英社文庫) 作者:角幡 唯介 発売日: 2020/02/20 メディア: 文庫 冒険作家・角幡唯介の雑誌記事、書評、対談などをまとめた一冊。彼の作家としてのデビューから、この本の単行本が出版された頃(おおむね2010年代前半)の思想・考え方をまとめて…

読書記録『テロルの決算』(沢木耕太郎)

テロルの決算 作者:沢木耕太郎 発売日: 2014/01/24 メディア: Kindle版 1960年に起きた「浅沼稲次郎暗殺事件」を描いたノンフィクション。前から読もうと思っていたが、けっこう重厚でこたえそうなのでしばらく放置しておいた。今年に入ってノンフィクション…

読書記録『探検家の日々本本』(角幡唯介)

探検家の日々本本 (幻冬舎文庫) 作者:角幡唯介 発売日: 2017/06/09 メディア: Kindle版 探検家の読書エッセイ集。角幡唯介をひと通り読んで、興味を持ったら読むといいかと。彼が探検ということをどう考えているか、どのような世界の見方で生きているかを知…

読書記録『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(角幡唯介)

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 (集英社学芸単行本) 作者:角幡唯介 発売日: 2014/02/13 メディア: Kindle版 『空白の五マイル』、『雪男は向こうからやって来た』に続く、角幡唯介のノンフィクション3冊目。本人も書いていた…

マラソンレースについての雑感

今年前半のランのロードレースはコロナでほぼ壊滅的。6月の岩手のウルトラマラソンは微妙だが、なんとか開催できるといい(まだエントリは様子見)。 「いわて銀河100kmマラソン」は、出ようと思った初めての年は自然災害によるコースの問題で中止、昨年はコロ…

読書記録『地図のない場所で眠りたい』(高野秀行・角幡唯介)

地図のない場所で眠りたい (講談社文庫) 作者:高野秀行,角幡唯介 発売日: 2017/08/11 メディア: Kindle版 早大探検部OBどうしの対談本。大学時代のサークル活動の話、探検と冒険の違い、作家になったきっかけ、辺境ライターとしてのプライドやスタンスの話な…

読書記録『雪男は向こうからやって来た』(角幡唯介)

雪男は向こうからやって来た (集英社文庫) 作者:角幡 唯介 発売日: 2013/11/20 メディア: 文庫 角幡唯介著書2冊目。 おのずと読者は雪男の存在の謎の解明に興味を引かれているが、書かれているのは雪男と、それにまつわる人間史とでもいえるものだ。著者自…

読書記録『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(角幡唯介)

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む (集英社文庫) 作者:角幡 唯介 発売日: 2012/09/20 メディア: 文庫 筆者が先に読んだスコット・ジュレクの本に解説を書いており、調べてみると数年前によく読んでた高野秀行の早大探検部の後輩との…

読書記録『ドキュメント 山小屋とコロナ禍 山小屋の〈未来〉を展望する』(山と溪谷社編)

ヤマケイ新書 ドキュメント 山小屋とコロナ禍 発売日: 2021/01/07 メディア: 新書 2020年はコロナウイルスでランニング系のイベントが軒並み中止になってしまったので、「ふつうの登山」をしようと思い、例年よりも山行は多くなったように思う(けっきょく、…

読書記録『NORTH 北へ アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道』(スコット・ジュレク)

ウルトラランナー、スコット・ジュレクがアメリカのロングトレイルのひとつ「アパラチアン・トレイル(AT)」のハイクの最速記録に挑む。サポートは妻や友人、彼の挑戦をSNSでフォローするスコットのファンたち。 当然ATほど長くはないにしろ、ロングトレイル…

ウマが合わない

いまの直属の上司とは、上司・部下の関係でかれこれ6年くらいの付き合いになるが、さいきん急激にウマが合わなく感じてきて困っている。それは以前から認識していたことではあるが、コロナで社がテレワークを導入し、ほかの同僚とのコミュニケーションが薄れ…

読書記録『誰も教えてくれなかったマラソン フォームの基本』(みやすのんき)ときょうのラン

仕事で走る気力までスポイルされて参っているのだが、なにもしないでいるわけにもいかないので座学。 誰も教えてくれなかったマラソンフォームの基本 作者:みやす のんき 発売日: 2018/03/09 メディア: Kindle版 みやすのんき氏のランニング関連本はすで数冊…

日記:コロナ禍の記憶210107

去年はあまり記事をアップしなかった。そもそも読書記録くらいしかあげていなかったけど。昼休みに昔の自分の書いた記事を読んでいたら、自慰的な興奮を覚えた。なにかをアウトプットすることは、自分にとってたいせつなことだった。今年は打鍵をがんばろう…

読書記録2020-15『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド 発売日: 2019/01/01 メディア: Kindle版 会社にずっと置いてあったし、アマゾンの2…

読書記録2020-14『ドストエフスキーの詩学 』

なぜが強烈に引きつけられ、逃れられなくなるドストエフスキーの小説。とりあえず、『ドン・キホーテ』(セルバンテス)とドストエフスキーを読んでいれば、生きている時間のうちの退屈な時間の大半を楽しくすることができると最近は思う。 米原万里の『打ちの…

読書記録2020-13『プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで』

もろもろ背景があって、今年はだいぶ本を読まなくなった。狭い世界で生きている危機感あるいは焦燥みたいなものを感じる。いっぽうで、やはり自分は俗物的な興味関心で本を読んできたのだなとやや絶望的に感じている。 とにかく、自分のなかでは、このままで…

靴の迷走(ランニング)

ハイレゾやLP音源は、プラシーボもあるかもしれないが、もっぱら女性ヴォーカリストがいい。柴田淳や原田知世を聴いている。 そんなことはさておいて、コロナ禍でランの強度を上げた練習や、距離を伸ばすことができないと前に書いた。なので座学という名のネ…

コロナ禍の記憶

体重が落ちている。1月末のレース(フルマラソン)のときは62kgくらいあったものが、いまは59kg台まで落ち込んでいる。今年前半のターゲットレースであるUTMFや岩手のウルトラマラソンが軒並み中止になり、日々のランニングの時間と距離は激減。筋肉量が落ちた…

読書記録2020-12

日本人は100メートル9秒台で走れるか(祥伝社新書) 作者:深代千之 発売日: 2014/03/31 メディア: 新書 座学。短距離における人間の走るという動作を最新(とはいえ2014年の本だが)の「バイオメカニクス」に基づいて解説した本。走る時に人間の体に何が起きてい…

コロナの記録

(今のところ)仕事も失っていない、給料も下がっていない、恵まれている。しかし、日本国内のみならず、海外の状況によっては先々影響を受ける可能性もおおいにある。しかし、医療関係や食料品関係など、不特定多数のひとと接する、いわゆるエッセンシャルワ…

Tokyo Night Run 57km(コンクリート・ジャングル・トレイル ?)

小学校時代の同級生かつラン仲間のK氏に誘われ、UTMFのおよそ1ヶ月前に夜間走練習を決行。長い距離への慣れ、夜の走行など、ランそのもののトレーニングというよりも、似た状況を作ってシミュレーションという意味合いが強い。週の前半からカフェインを絶っ…

アルトラの靴

「ウルトラの父」みたいなタイトルですが、トレイル(ランニング)用のシューズの話です。 インターネットのいいところは情報が多いことですが、玉石混淆で実際に価値のあるものって少ない。自分はネットサーフィンをするときは、だいたい製品のレヴューか、ニ…

靴塚

わりとちゃんとランニングをやっていると靴はかなりの消耗品で、500kmの走行で1足の寿命がくるとして年間2,000km走れば4足つぶすことになる(じっさいは数足で使いまわすので1年に4足まるまるつぶすわけではない)。ランシューズとしての寿命が来れば(デザイン…

雑感「読書」考

基本的に集中力がないタイプなので、たまに読書も掛け持ちする。2冊ていどの掛け持ちが多いが、今は3冊。どいつもこいつも読みたくてしょうがない状態ならいいのだが、今回の3冊はちょっとどれも弱い。文学とエッセイと、翻訳のエッセイ(?)的な。最後のやつ…

読書記録『地下室の手記』(ドストエフスキー)38-2018

地下室の手記 (新潮文庫)作者: ドストエフスキー,江川卓出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1970/01/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 65回この商品を含むブログ (152件) を見る「カラマーゾフ」にひき続き再読。この本そのものというよりは、この後に続く…

読書記録『うつヌケ』(田中圭一)37-2018

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち作者: 田中圭一出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/01/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (22件) を見る躁うつを繰り返す一切皆苦のわが生において、先人の経験とそれにもとづく知恵に負うところは大きい。