洗濯はわたしの担当

家のトイレ、風呂の掃除、洗濯はわたしが担当している。 自らやらないひとは理解してくれないようだが、洗濯という家事は「全自動」化した現代の洗濯機を用いてもなお、「全自動」ではない(洗濯機のない時代から比べれば、相当ラクなことに異論はないが)。 …

鼻穴が焦土と化して

スギ花粉がキツい。 先週あたりから飛散のピークらしく、電車に乗ると笑えるくらいにみんな鼻をすすっているし、満員電車の耳元で強烈なくしゃみを何度もくらった。マスクをちゃんとしてくれていて助かったが、近すぎてそのたびに「ビクッ!」ってなった。 …

アウトプットを怠るとへこむほど言葉が痩せていく

久しぶりに投稿する。 前回のアップは2023年の1月にあげたもので、それっきりということになる。いいわけではないが(そもそも誰にいいわけする必要があろう)、直後に娘が生まれて、けっこうこういうパソコンに向かう活動がなくなってしまっていた。 仕事では…

読書記録『会社を変える分析の力』(河本薫)

会社を変える分析の力 (講談社現代新書) 作者:河本薫 講談社 Amazon 久しぶりのブログアップ。通勤時間がないと、やはり読書量は大きく減る。だが本は買ってしまうので、未読のものが貯まっていく。 ちょっと前に買った本書。積読状態になると何が良くないか…

読書記録『クォン・デ もう一人のラストエンペラー』(森達也)

クォン・デ もう一人のラストエンペラー (角川文庫) 作者:森 達也 KADOKAWA Amazon 帝国主義時代の末期、フランスと日本とのあいだで「翻弄」され揺れ動く、ベトナム最後の王族クォン・デを取材したノン・フィクション。ただし、筆者の想像による当事者間の…

読書記録『浦上四番崩れ 明治政府のキリシタン弾圧』片岡弥吉

浦上四番崩れ―明治政府のキリシタン弾圧 (ちくま文庫) 作者:片岡 弥吉 筑摩書房 Amazon " data-en-clipboard="true">江戸末期〜明治にかけてのキリスト教徒弾圧について書かれた本。捕縛から棄教の圧力、拷問、島流し、外圧に対応するかたちで取られた「解放…

読書記録『総員起シ』(吉村昭)

総員起シ (文春文庫) 作者:吉村 昭 文藝春秋 Amazon 吉村昭の綿密な取材に基づく戦史モノ短編集。少し前に読んだ柳田邦男の『空白の天気図』もそうだが、戦争には多くは語られていない、しかしそれぞれの当事者にとってはひじょうに重要な事件が多数ある。個…

読書記録6~7月もろもろ(6冊)

とりあえずバス通勤で粛々と読んではいたが、仕事に時間と精神力を割かれ記録につける気力がなく。 まあ、読まないよりは少しマシ。 フィンランドでお神輿を──新しい価値を生み出す場づくりの教科書 作者:蓬台 浩明 プレジデント社 Amazon ヤマケイ文庫 ヒグ…

読書記録『批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義』(廣野由美子)

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書) 作者:廣野由美子 中央公論新社 Amazon メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』を紐解きつつ、小説の技法と、小説の批評の切り口を解説していく。 それぞれの切り口で見ることの是非と…

読書記録『遠い日の戦争』(吉村昭)

遠い日の戦争 (新潮文庫) 作者:昭, 吉村 新潮社 Amazon 戦争とその終結とのあいだで「正義」が変わる。 「戦犯」として追われる、米軍捕虜の殺害に関わった主人公の逃亡・潜伏劇であるが、描かれるのは国家間の戦争と、その大きなうねりのなかで振りまわされ…

読書記録『ひとり旅』(吉村昭)

ひとり旅 (文春文庫) 作者:吉村 昭 文藝春秋 Amazon 雑誌や会報などに掲載された吉村昭のエッセイや対談を集めた文庫。個別のトピックはそれぞれ作家の作品や人生に対する姿勢について垣間見ることができて興味深い。けっこう内容の反復があって、前に読んだ…

どうでもいいが、どうでもよくないこと。あってはいけないが、無視してはいけないこと。

きょねんのUTMFで使うはずだったトレイルランニング用の靴を、ようやくきょうおろした。買ってからおよそ1年半が経過し、コロナ禍でもマーケットにはしっかり代謝はあって、すでに旧世代のモデルと化している。思えばトレランの靴なんてレースがなければ登山…

読書記録『見えない橋』(吉村昭)

見えない橋 (文春文庫) 作者:吉村 昭 文藝春秋 Amazon 最近読んでないので、小説を欲して購入。吉村昭は取材に基づく硬質な小説のイメージですが、この本はよりパーソナルな「死」にまつわる物語が集まっている。自分はいわゆるアラフォーだが、もう少し歳を…

読書記録『神々の明治維新-神仏分離と廃仏毀釈- 』(安丸良夫)

神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈 (岩波新書 黄版 103) 作者:安丸 良夫 岩波書店 Amazon 魔女狩りとかキリシタン弾圧とか、ある(体制とか宗教とか広義の)団体が特定の宗教集団、あるいはそれに反する存在に攻撃加え、廃絶しようとするような歴史的事象には…

読書記録『「読む」って、どんなこと?』(高橋源一郎)

「読む」って、どんなこと? NHK出版 学びのきほん 作者:高橋 源一郎 発売日: 2020/06/25 メディア: Kindle版 高橋源一郎が、小学生の教科書や、詩人や、小説家などの文章をひきながら「読む」ということを読者に伝えている本。各引用テキストについてテクニ…

読書記録『金沢城のヒキガエル 競争なき社会に生きる』(奥野良之助)

金沢城のヒキガエル 競争なき社会に生きる (平凡社ライブラリー) 作者:奥野 良之助 発売日: 2006/01/11 メディア: 文庫 金沢城に生息するヒキガエルの生態を調査した動物モノ。基本的には爬虫・両生類とか昆虫の類は好きなので。どうやって個体識別するか、…

読書記録『信仰が人を殺すとき 下』(ジョン・クラカワー)

信仰が人を殺すとき 下 (河出文庫) 作者:ジョン クラカワー 発売日: 2014/06/10 メディア: 文庫 モルモン教はアメリカで長く続いている「新興宗教」である。こういう宗教モノのノンフィクションを読むと思うのは、(広義の)神の存在とか、宗教対立とか、そう…

読書記録『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン)

スマホ脳(新潮新書) 作者:アンデシュ・ハンセン 発売日: 2020/11/18 メディア: Kindle版 スマホをいじっているとバカになるから、デジタルデトックスをして運動しよう、という内容の本。運動はなんでもいいそうです。 この手の本で個人的に納得がいかない…

読書記録『聖の青春』(大崎善生)

聖の青春 (角川文庫) 作者:大崎 善生 発売日: 2015/06/20 メディア: Kindle版 早逝の棋士・村山聖を描くノンフィクション。松山ケンイチ主演の映画は以前観たが、原作のこちらは初読。 なんというか、ひとつのことに自分の全存在をかけることの凄まじさを見…

読書記録『ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在』(福島香織)

ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在 (PHP新書) 作者:福島 香織 発売日: 2019/06/19 メディア: Kindle版 アメリカが対中の外交カードとして使い始めてから、ようやく日本でも話にあがるようになってきた(主観です。まだ足りないのだろう)、…

読書記録『西南シルクロードは密林に消える 』(高野秀行)

西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫) 作者:高野秀行 発売日: 2016/10/14 メディア: Kindle版 再読。角幡唯介氏が人生を変えた一冊と言っていたので。ちなみに彼らは早稲田大学探検部の先輩・後輩の関係。前回は2019年に読んでいる。 中国の成都から…

読書記録『信仰が人を殺すとき 上』(ジョン・クラカワー)

信仰が人を殺すとき 上 (河出文庫) 作者:ジョン クラカワー 発売日: 2014/06/10 メディア: 文庫 今年のノンフィクション読書の一連の流れで。通勤のバスと電車でようやく上巻を読了。クラカワーのノンフィクションは『荒野へ』(集英社)以来。ほかには『空へ …

読書記録『これで見納め-絶滅危惧の生きものたち、最後の光景』(ダグラス・アダムス、マーク・カーワディン)

これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景 作者:ダグラス・アダムス,マーク・カーワディン 発売日: 2011/07/23 メディア: 単行本 ダグラス・アダムス氏は『銀河ヒッチハイク』というシリーズのユーモアSF小説で有名らしいが、初読。きっかけはノン…

コロナ禍の記憶

平日の夜にランニングのトレーニングをするとなると、仕事の切り上げと夕飯のタイミングが最重要課題となる。そこに会社で働いているのか、在宅勤務なのか、そういう場所、関連して移動時間も絡んでくるので、意外とコントロールしなければならない要素が多…

読書記録 『遺体 -震災、津波の果てに-』(石井光太)

遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫) 作者:石井光太 発売日: 2019/01/25 メディア: Kindle版 10年前、大きな地震の直後に襲った津波。そのとき岩手県の釜石で起きていたことを描く。津波による多くの遺体を前にして、生き残った人たちがどのように状況に対…

読書記録『芙蓉の人』(新田次郎)

新装版 芙蓉の人 (文春文庫) 作者:新田 次郎 発売日: 2014/06/10 メディア: 文庫 明治時代に富士山山頂に初めて気象観測所を建て、じっさいに越冬観測を試みた野中到とその妻・千代子の物語。主役は千代子であり、明治時代という男性優位の社会のなかで、夫…

読書記録『ドキュメント 単独行遭難』(羽根田治)

ドキュメント 単独行遭難 (ヤマケイ文庫) 作者:羽根田 治 発売日: 2016/12/09 メディア: 文庫 羽根田治さんの山岳遭難ドキュメントは、たまに読むと啓発される。というか気が引き締まる。人間は慣れてしまうもので、自分では注意できているつもりでも、慢心…

読書記録『VTJ前夜の中井裕樹』(増田俊也)

VTJ前夜の中井祐樹 作者:増田俊也 発売日: 2015/11/06 メディア: Kindle版 北海道大学柔道部出身、増田俊也氏のノンフィクション短編集。『七帝柔道記』、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか』にならぶ三部作とのこと。『木村政彦は〜』は漫画でしか読…

読書記録『七帝柔道記』(増田俊也)

七帝柔道記 (角川文庫) 作者:増田 俊也 発売日: 2017/02/25 メディア: Kindle版 ひとことでいうと、強烈で濃密。あまりにも笑えて泣ける青春私小説。とにかく騙されたと思って読んで欲しい一冊。リアル『魁!男塾』といっても過言ではない世界観は非常にマン…

読書記録『オオカミは大神 狼像をめぐる旅』(青柳健二)

オオカミは大神 狼像をめぐる旅 作者:青柳 健二 発売日: 2019/04/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) オオカミ関連でもう一冊。日本のオオカミが祀られた神社をめぐる旅。たくさんのオオカミ像(神社で狛犬と同じ役割になっている)や、オオカミが描かれたお…