冒険作家・角幡唯介の雑誌記事、書評、対談などをまとめた一冊。彼の作家としてのデビューから、この本の単行本が出版された頃(おおむね2010年代前半)の思想・考え方をまとめて読むことができる(ちなみに、本人による巻末の解説では、当時と文庫本出版時点(2020年)とでは考え方が異なるとのこと)。
「人間は外と等量の内側をかかえていなければ外には向かえない。」(p.159)など、けっこうギクリとするセンテンスも多いが、下ネタへの傾倒も感じるられるようなコミカルなものもあって、硬軟とりどり散りばめられた本と思う。もちろん氏の本職の冒険本数冊を読んでからのほうが楽しめる。