読書記録2020-13『プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで』

もろもろ背景があって、今年はだいぶ本を読まなくなった。狭い世界で生きている危機感あるいは焦燥みたいなものを感じる。いっぽうで、やはり自分は俗物的な興味関心で本を読んできたのだなとやや絶望的に感じている。

 

とにかく、自分のなかでは、このままではなにか大切なものを欠いてしまうという、気持ちの落ち込みが大きい。それなのにいまいち本を読む原動力みたいなものが湧いてこない。ひさびさにアカデミックな方面の読書で、そのモチベーションが高まらないかと期待。 

 「プロテスタンティズム」というと大学で読まされる例のヴェーバーの本が印象に残っているが、ルターのいわゆる宗教改革からその後の展開、現代の欧米、世界での位置付けなどを概観できるものを探した。著者は自分自身の実存の問題からプロテスタンティズムに興味をもったらしいのだが、自分の場合はどうだろう。

 

宗教には、「異端」排斥や迫害の歴史があって、この人間の負の部分(と言ってしまっていいだろうか)を垣間見たいといういわば野次馬根性みたいなものがそもそもの興味関心と思う。そのような歴史にあっても、なぜプロテスタンティズムプロテスタンティズムたりえているのか、メジャーなカテゴリとなっているのか、このへんの疑問に解説を与えてくれる本だ。