ユートピアノスタルジア

Apple Musicのオススメで、8-bit(とチップチューン)のプレイリストが出てきたのだが、妙にノスタルジックで、艶っぽい。ファミコン(海外ではNESというらしい)の80年代にはいくらか、未来的な音だったのだろうか。単調で表力に乏しいはずのゲーム音が、きっとテレビゲームの楽しさとのシナジーで、必要以上に未来的に聞こえていたのか。当時は「古さ」は感じていなかったように思う(でもいまのコトバでいえば、「チープ」と感じてはいたと思う)。

 

いま聴くと、そのピコピコした音は確実に郷愁を誘うものだ。何の?と聞かれれば、当時未来的に聞こえていたものが、いま遠い過去になっているということへの郷愁。その「郷愁」をもっとちゃんと書くと、ここ数十年の人間の営みと、それを相対化し客観視する視点、その営みを愛しいまなざしで見つめる視線そのものということもできるだろう。