ムスリムの国である。薄明のなまぬるい空気に、街のスピーカーからムカデのように文字が這い出てくる。夜中、蚊の羽音に苛まれた身としては、またムシかよ、という気分になる。この国の朝は、コーランで始まるのである。このムカデがうっとうしかったのは、…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。