150521_日記

30代前半〜中頃に位置するワタクシは、いわゆる世間的には「まだまだ若い」といわれる(であろう)年齢と思いますが、精神的には最近ひどく退行している気がしてなりません。「退行」と書きましたが、単純に幼い精神状態へ戻っているとか、あるいは反対に老いが進行しつつある、とかいうよりも、どちらかといえば「停滞」とか「逡巡」あたりがもっとも近いのかもしれない。あるいは、物理的、社会的には年齢を重ねていっているのに、精神はそこにとどまったままなので、ギャップが開いていき、相対的に「退行」と感じられるのでしょうか。

さてその中身といえば、いくつかあるのですが、ひとつあげるとすれば世界の拡張と自分の限界との摩擦とでもいいましょうか。これまで様々な人間に出会い、ともに仕事したり遊んだり、接点なく通り過ぎたり、喪失があったりしました。またそのそれぞれの個々の存在に加え、ジンメル風にいえばそのそれぞれの関係の網の目があり、じつに複雑な人間関係を能動的であれ受動的であれ、その両面において作り上げてきたわけでございます。また、同時にその関係性そのものにまつわる義務や責任、そういったものがまるでひとつの人格であるかのように我が日常に関わってくるのです。それがここでいう「世界の拡張」ということです。

その縦横に走る巨大な網(Web的なものも含意してます)のなかにおいて、まさに「自分の限界」が目の前に現れてきます。それは自分にできること、あるいはできないことの境界線がよりはっきりしてくる、という単純な意味もありますが、さらにその先に、「もう、なにも世界について語りうることはない」という達観というか、諦念というか、悟りというか、一種の絶望に近い感覚がもたげてくる。

ただ、たしかにそれは当然の成り行きだと考えることもできる。