読書記録『信仰が人を殺すとき 下』(ジョン・クラカワー)

 

信仰が人を殺すとき 下 (河出文庫)

信仰が人を殺すとき 下 (河出文庫)

 

 モルモン教アメリカで長く続いている「新興宗教」である。こういう宗教モノのノンフィクションを読むと思うのは、(広義の)神の存在とか、宗教対立とか、そういうものというより、そこで描かれる「信者」たちが、必ずしも自分とは全く違う世界を生きているということではなく、そのコミュニティの外にいて他人事のように見ている我々とけっこう地続きの存在なのではないか、というより個人的な感想である。

 

オウム真理教を描いた村上春樹の『アンダーグラウンド』や『約束された場所で』なんかも確か同じような視点で書かれていたと思う(ただし「共感」ではない)。