人間が造ったものではありますが

なんだか朝起きて急に思い立ち、発作的に国立美術館でやっている「空海密教美術展」に行って参りました。空海といえば遣唐使として大陸にわたった、真言宗祖、三筆として知られるスーパー僧侶。

やはりひとが多くて空海の筆は観づらい感じでしたが、それでも後半は人混みがバラけて、わりと落ち着いて観ることができました。東寺を中心とする仏像の展示はなかなか圧巻。特に最後の「仏像曼荼羅」はなかなか、仏教宇宙!な感じでステキでした。なんでも、空海曼荼羅の世界を立体で表現しようとしたとかいう。東寺にある全21体のうち、今回の展示は8体のみですが、それでも宇宙的な空間の広がりとか奥行き感とか、うまく表現されている展示だったんじゃないでしょうか。男前の「帝釈天騎象像」はやはりいちばん人気があったような気がするなあ。

運慶、快慶の作品にある、胸ぐらをつかまれるような躍動感も好きですが、もっと古い時代の仏像はいい(鎌倉時代も充分古いですが)、その長い年月を経た「静かで不動」な感じが。そこだけ時空がねじ曲がって静止しているというかなんというか。

前に読んだので再読しようかしら。

空海の風景〈上〉 (中公文庫)

空海の風景〈上〉 (中公文庫)

空海の風景〈下〉 (中公文庫)

空海の風景〈下〉 (中公文庫)