読書記録『帝王学 「貞観政要」の読み方』(山本七平)003-2017

帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

貞観の治」で知られる中国唐代のリーダー論。こういう(とくに仕事におけるような)プラグマティックなものは、ふだんはほぼ読まないジャンルではあるが、去年いっぱいで転職した勉強家の先輩が去りぎわに紹介してくれたので。どんな本にせよ、「あなたに読んでほしい」というスタンスで本を紹介されるって、なんかいい経験だと思う。

まあ簡単にいうと、リーダー(この本のばあいは為政者)のあるべき姿を説いているわけだが、贅沢に走らないとか、臣下の意見に傾聴せよとか、全能感を捨てよとか、当たり前といえば当たり前のことなのだが、言う(たんに知っている)のと実際にそのように行動することとの間には、地球と冥王星とのあいだの距離くらいの差がある。なのでおりに触れてリーダーたるもの、「貞観政要」のエッセンスを意識し実行すべきなのだろう。

そう言う自分は組織のリーダーとしてひとのうえに立つべき人間ではないが、「部下論」としてもこの本は読めるので、この社会をサバイヴしていくために定期的に読み返す価値のあるものとは思う。ご紹介ありがとうございました。