読書記録『自殺』(末井昭)

自殺

自殺

少なくとも生きている人間にとっては、自己の「死」は生きているあいだ永遠に経験できぬことだ(同語反復的だが)。ほんとうは、ぼくは死についてもっとまわりのひとたちと語りたいという欲求があるし、自分の死の瞬間(必ずしも「自殺」という形態をとらない)についてはこれまで生きてきて幾度となくシミュレーション(という言葉が適切かわからないが)してきたことだ。生きることを想えば、必然的に死について考えることは避けては通れない。

日常的に死について思いをめぐらすことは、忌避されるような事柄なのだろうか。