読書記録『自殺論』(デュルケーム)

自殺論 (中公文庫)

自殺論 (中公文庫)

何回か読んでるが、ちゃんと通して読んだのは初めてかもしれない。といっても、ダラダラほかの本に浮気しまくりながら読み続け、3ヶ月くらいかかった。もちろんテーマは「自殺」なのだが、自殺そのものというよりは「自殺研究における社会学的方法論」といったほうが正しい。

まあしかし、「アノミー的自殺」という概念に関しては、相変わらず現代的な意味を持ちうると思うし、そこだけ読んでも現代を生きる読者たち(おれたち)は感じるところも多いでしょう。

アノミー」というのは非常に簡単にいうと、「自由やあふれる欲望を持て余して自分でも訳わかんなくなっちゃってる」状態で、つまりいまの日本のけっこうな数の人間が当てはまる状態なのではないかと(もちろん違うというひともいるでしょうけど)。

100年以上もむかしからこんな状態の人間がゴロゴロしていた(そしてそれをアノミーと名付けて論文を書いているひとがいた)のだな、と思うと、少し楽になるような気がしますw 次はこの流れ(?)で前からずっと読みたかった、フランクルの『それでも人生にイエスと言う』(春秋社)を読もうと思います。