山レポート20140328(大倉➡蛭ヶ岳ピストン)

■日時
2014年3月28日(金)

■ルート26km程度
最低高度:290m(大倉バス停)
最高高度:1,673m(蛭ヶ岳山頂)
獲得標高:2,332m

0735 大倉バス停
0938 金冷シ
0954 塔ノ岳
1059 丹沢山
1120 丹沢山出発
1250 蛭ケ岳
1340 下山開始
1505 丹沢山戻り
1600 塔ノ岳戻り
1835 大倉バス停

■服装
・Finetrack フラッドラッシュスキンメッシュ
・ibex 150 メリノウール長袖
・Mammut シェル(ドライテックプレミアム)
・C3fit サポートタイツ
・HOGLOFS ソフトシェルパンツ
・La Sportiva Trango Alp GTX
秦野 最低気温10℃、最高気温20℃程度(予報値)

■水分補給
2ℓ携行(うち1ℓは昼食用)。

■詳細
深田久弥の『日本百名山』(新潮文庫)にはこうある。

私が百名山の一つに丹沢山(丹沢山というのは山塊中の一峰である)を取りあげたのは、個々の峰ではなく、全体としての立派さからである。(中略)ただ表尾根を歩くだけでなく、その奥深く入れば、山の規模は大きく複雑で、容易にその全貌をつかめない。(pp.374-375)

日本百名山 (新潮文庫)

日本百名山 (新潮文庫)

おととしから登山を始め、丹沢に通うようになったが、つくづくこの山域は奥行きがある、と思う。こんな豊かな山塊を身近にたたえることに、神奈川県民は誇りを持ってよい(自分はいまは神奈川県民だが、気持ちは秋田)。今回ようやく丹沢山と丹沢(神奈川県)最高峰の蛭ヶ岳に登ることができた。檜洞丸や大室山、鍋割、ヤビツ峠から塔ノ岳の表尾根などに脚を運んできたが、自分の家からはアクセスしづらい北側のルートはいまだ歩いたことがなく、まだまだ「百名山」としての丹沢を歩いたといえるまでにはしばらくかかりそうだ。

さて、今回は残雪の丹沢を歩いておきたい、今年の現時点での体力レベルを自分なりに認識しておきたい、とのおもにふたつの理由で今回の山行に。そのわりに、日帰りとしては厳しいルートになってしまったが。じっさいは残雪とはいえ、踏み締められたトレース上を歩く感じだった(たまに下が腐ってて踏み抜きあり)。凍結個所もなかったので、念のためスパイクを携行したが使用せず。

家からの始発で大倉バス停には0730に到着できる。塔ノ岳までひたすら1,200m(単純標高差)を登る大倉尾根(通称・バカ尾根)は何度か訪れており、とくに不安はないので、登山者カードを記入して即出発。花粉症なのでマスクを装着している。「だったら来るな」的な外見。歩幅を小さくすることを意識的に。少し歩くとすぐに暑くなってシェルを脱ぐ。日帰りの登山で雨の降る確率がきわめて低いのならば、雨具兼ウィンドシェルのハードシェルを軽量ウィンドシェルにすることで200g以上の軽量化ができる。次回はそうしよう。

途中、やや残雪と泥濘個所があり、パンツの裾が汚れるのがイヤだったのでネコ足で慎重に通過。ゲイターをしている登山者も多く見かける。自分は持ってきたが使わなかった。今回はペースに緩急をつけて「歩きながら休憩する」歩きを試したのだが、少なくとも塔ノ岳までの登りでは脚が止まるようなことはなかった。だが、勾配がキツいとすこし心肺がつらくなるので、急登ではもっと意識的にペースを落としたほうが、今回のような長距離の登山では経済的な歩きができるような気がした(復路でバテたので)。天気はよく、空気も澄んでいる。

0945に塔ノ岳到着。平日とはいえそこそこ登山者が多い。金冷シの少し手前あたりから少し頭痛が。マスク装着による酸欠だろうか。はたまた水分不足だろうか。思っている以上におおきくペースを下げたほうがいいのかもしれない。あるいは久々の登山でテンションが上がってしまったからか。少し写真撮ったりして、丹沢山へ向かう。以降、けっこうまとまった残雪と泥濘個所が多発。この程度の雪のうえを歩くのはまだ楽しいといえる。まだ気温が低い往路では、「凍結してるかな?」とも思える光りかたをした雪面があったのでやや慎重に歩くが、ツルツルということもなく、楽しく歩くことはできた。1059丹沢山到着。雪が多く案内板が埋まっている。おにぎりを3個食べる。

蛭ヶ岳までのルートも雪が多く残っている。サングラスがなければ雪面の反射で眼がやられると思う。たまにサングラスをずらすと、雪面が白いというか青く眼がくらむ。雪面はときどき踏み抜いた後があり、けっこう深い。大人の男の股下くらいある。まだ溶けていない硬いシャーベットほどの状態なので、歩きにくくはない。蛭ヶ岳のたくましいかたちはずっとさっきから目の前にあるが、尾根筋のアップダウンはなかなかに厳しく、容易に近づかせてはくれない。午後に入り、やや展望がぼんやりして富士山の輪郭もやや霞む。1250に山頂到着。途中で脚を止めて休むこともあったのでペースがだいぶ遅くなった。山頂で写真を撮ったりカロリーメイトを食べたり、短い昼寝をしたりして1340に下山開始。塔ノ岳の前からの頭痛が厳しい。次回からは薬を携行すべきか。

下山を開始すると風も出てきて寒いというほどではないが、乾燥した風に晒されつづけると体温が落ちそうだったので、シェルを来たまま下る。往路よりも気温が上がり、雪がやわらくなって踏み抜く回数も増える(疲れているからかもしれない)。

かなり体調が良くないので、大倉のバスも遅くまであることだし、ヘッドランプで仮に日が没しても歩けるので、焦らないように極端にペースを落とした。雪ではストックが刺さってかえって危険なので、塔ノ岳までは使わない。塔ノ岳には、1600到着。きょうは山小屋に宿泊するのだろう、談笑したり、ゆったり写真を撮ったりしているひとたちがいる、これからまだまだ歩かなければならないので、かなりうらやましく思う。トイレに行ったり少し休憩したりして、下山開始。大倉まで2時間はかからないだろうと思っていたが、主観よりペースがかなり遅かったらしく、バス停に着いたのは1835頃。日没の1800前後から暗くなったので、ヘッドランプを使用。「ほうほうの体」とは、まさにこのことだな、と思いながら、この日の山行を終えた。

■反省・要改善点
・登りよりも下りでペースを上げたほうが、全体としては速い。
・登りでもできるだけストックを使い、つまり上半身を使って登るほうがいいかもしれない。
・フラフラで下山した割に、翌日以降ひどい筋肉痛にはならなかったのは良い点。おそらく下りでのストック使用が効いている。
・あと、復路で焦ってみだりにペースを上げなかった(冷静だった)のは、急ぎがちな自分の性格からいえば進歩。
・まだ足が靴のなかで動くのか、親指の外側が擦れて痛い。初期にあった踵の靴ズレはほぼ無くなった。厚めのインソールを導入すべき。
・帽子はキャップだったので首の日焼けがひどい。体調が悪くなったひとつの要因かもしれない。ハットタイプの帽子か手ぬぐい的なもので首を必ず保護する。