カーペットパイソンの飼育

2011年の12月からヘビの飼育を始めました。子どものころから爬虫類や昆虫が好きで、特にヘビはいつか飼育してみたいと思っていて、最近ようやく念願かなって、ということでございます。これまで図鑑や飼育法の本はそれこそ「穴の開くほど」眺めてきたので、基本的な知識だけはかなり先行してついていたかたちになります。なので実技が伴っていないことには、なんとなく寂しい感じがしていたのです。

今回飼育を開始するにあたり、自分のような飼育初心者にとって少しは参考になるかと思い(周囲にはいないが)、飼育記録をアップしていこうと思います。まずは飼育種の基本情報から。


学名Morelia spilota
英名:Carpet Python
分類:ニシキヘビ科オマキニシキヘビ属
サイズ:200cm前後(らしい) 購入時は推定80cm程度
購入時の商品名は「パプアンジャガーシブリング」でドイツの養殖個体
分布ニューギニアインドネシア、オーストラリア(亜種により異なる)

基本的にはブラックやブラウンの地色にホワイトやイエローなどの明るい色(うちの個体はオリーブ色に見える)が入り様々な形質が出るヘビだが、分類的には定説が無いように見受けられる。基亜種のダイヤモンドパイソン Morelia spilota spilotaとほかとを合わせて2亜種とする説や、6亜種や7亜種に分類している文献も存在する。ダイヤモンドは明らかに外見が違うので区別できそう(価格も非常に高価)だが、それにしても分布域が広くかつ重複していることを考えると、各亜種のハイブリットも存在していることが容易に想像できるので精確な分類は難しい(ペットとして飼うにはどうでもいい)と思われる。現状は形質ごとに商品名が付けられている状態で、イエローとブラックのコントラストが強く暗色部の模様がギザギザしている個体を特に「ジャングルカーペット」と呼称している様子。ぼくの飼育個体はドイツのブリーダーが交配させたもので、「シブリング」と呼ばれる個体。シブリングとは共優性でかけ合わせたときに、劣性同士の遺伝子で生まれる個体を指すらしく、兄弟には(商品として)重宝される優性の形質が出る。兄弟は高額で取引きされているが、比較的安価で市場に出るということで、性格が歪みそうな個体。兄貴は東大の医学部なのに、おれは地方私大の国際比較文化学部!…的な(差別的記述ですみません)。

飼育環境
ケージ:19×30×15cmのアクリルケージ(天板スライド式)
保温:遠赤外線パネルヒーターを底面積の2/3に設置(ケージの外)。冬季で気温が上がらないので赤外線の保温球をサーモスタットにつないで使用(ケージの外から照射)。
高温部30℃、低温部20〜27℃(部屋の暖房を入れているか入れていないかで異なる)
床材ウッドチップ(以降はメンテナンス性を考えて新聞紙にかえるつもり)
:タッパウェアで常設。いまのところ霧吹きなどは行っておらず、水溶器からの蒸発で大丈夫そう。まだいちども脱皮していないが、不全になるようなら霧吹きなども考える。
エサ:冷凍マウスのファジーサイズを3〜4日に1回1匹。お湯で30分程度解凍。水分を拭いてピンセットで給餌。

注)実際はフタがあります。

飼育日誌
20111213
購入。ケージに入れるとしばし落ち着かず、舌をチロチロさせて周囲の様子をうかがっている様子。最終的にはパネルヒーターのうえのケージの隅にトグロを巻いて落ち着く。

20111214
朝起きると水に浸かっており、仕事から帰ってきても水に浸かっていた。

20111216
夕方に動き出す夜行性のようなので、夜に初給餌。問題なく喰いつき、10分程度かけて飲み込む。ヘビの飼育はまずはエサを食べてくれるかどうかがひとつの関門なので、ひと安心。少し物足りなそうだが、与え過ぎても吐いたり消化不良になると聞いたのでまずは無理をしないようにする。マウスの解凍不全で吐いたりしないことを祈る。2〜3日開いて問題なさそうであればハンドリングをしてみよう。

20120109
飼育開始以来フンが見当たらないので便秘を疑っていたのだが、朝起きるとケージのいちぶが濡れてフンをしていたのでホッとした。白い尿酸のかたまりと思われる固形物も。周辺の床材を棄て、ケージを部分的に掃除。いまのところ餌喰いも問題なく、神経質そうな様子がみられない。性格がまるいようで、人間に対して咬むような素振りもなく、初心者向けの飼育個体としてはアタリかなと思う。

なにかあれば日誌をアップしていきます。次は脱皮かな。

参考文献

大蛇世界―ボア&パイソン

大蛇世界―ボア&パイソン

ヘビの医・食・住

ヘビの医・食・住

ヘビ大図鑑―驚くべきヘビの世界

ヘビ大図鑑―驚くべきヘビの世界