雨露の恩

春という季節独特のフワフワする感じというのは、たとえば学生時代の新学期における人間関係の更新とか、「発情」というコトバに表現されるような動物の性的な高揚とか、グッとあがる気温だとか、日が長くなってきたなーとか、そんな気候の変化が誘因となる桜の花に代表されるような植物の生命の確かな実感とか、ひとことでは言い表わすことのできない要素の複合体である。

まあしかし、桜の花も有無を言わせぬほど相も変わらず春を表現してくれているわけだけど(というか、そのものがそもそも「春」!)、あっちのほうも桜の花と同じくらい、イヤ、桜なんか凌駕するほどにこの季節を際立たせている。くず入れには、湿り気を帯びた白い花が溢れんばかりの状態で常に存在してるし(しかし「白子」のような生々しさをともなって)、焼け野原のごとく炎症を起こし荒れ地と化した鼻腔ではなぜか鼻毛が雑草のたくましさで続々とその背丈を伸ばしていくし。

要約すれば、春はなんかワクワクするけど花粉症がキツいのでユーウツなんです、ということで、スミマセン、とにかくアホな文章を書いてみたかっただけです。

次回はこの勢いに乗ってなかば強引にコミュニケーション論的なものを書くつもり。手を抜いているわけじゃない。布石よ、布石。

追伸:「季節感と妄想」については下の書物を参考にされたし。最近電車で読んでて楽しい。

和漢朗詠集 (講談社学術文庫)

和漢朗詠集 (講談社学術文庫)