読書記録『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹)014-2017

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

再読。村上春樹のフィクションはあまり自分には合わないが、このエッセイ的な本には(筆者は「個人史」的と表現している)親近感を覚えたので、何回か読み返している(このほかにも、ノンフィクションの『約束された場所で Underground 2』(文春文庫)は本として好きだ)。小説家としての自分にとって、走る(ランニング)ということがなにを意味しているか、おもにそういったことに焦点が当てられている。「身体に現実的な負荷を与え、筋肉にうめき声を(ある場合には悲鳴を)上げさせることによって、理解度の目盛りを具体的に高めていって、ようやく「腑に落ちる」タイプである」(p.42)などという書きかたは、とくにエンデュランス系のスポーツをやっている人間にはグッとくるものがあるのではなかろうか。