読書記録『二重人格』(ドストエフスキー)

二重人格 (岩波文庫)

二重人格 (岩波文庫)

『貧しき人々』に次ぐドストエフスキー第二作。『分身』と訳されることもあるとのことですが、意味としてはドッペルゲンガーのことみたいです。作者の自信に反し酷評され、いまとなってはかなりマイナーな小説。さいきんドストエフスキーの日本語で読めるものはすべて読もうと思って取り組んでいるのですが、そうでもしないと読む機会には巡りあわないと思われる。あとは映画になっている(未見)。主題は現代の都市生活者の「内心の相克」が描かれており興味深いが、たしかに小説としてはおもしろくない。訳者のあとがきによればドストエフスキーはこの作品にかなり執着しており、書き直しをしたかったみたいです。