読書記録『永遠の夫』(ドストエフスキー)

永遠の夫 (新潮文庫)

永遠の夫 (新潮文庫)

巻末の解説によれば、単に『永遠の夫』だと分かりにくいが、意味としては「万年(寝取られ)亭主」というニュアンスのようだ。寝取った側のおっさんの視点で寝取られ亭主を描いていて、そこが新鮮。ふたりの男のやり取りには、たまにプッと吹いてしまうようなおもしろみがある。それに加えて全体的に(寝取られたほうだけではなく)両方の男の哀愁が漂っていて、それがまた良い。読みやすいかといわれれば、文化、風習、時代、国も異なるわれわれにはそうでもないかもしれない(だいたい古い海外の小説はそうだが)。