読書記録『グラスホッパー』(伊坂幸太郎)

ということで『マリアビートル』をうけて再読。断片的にしか覚えていませんでしたが、『マリアビートル』に出てくる「鈴木」が主人公のひとり。『マリアビートル』では終盤けっこう重要な立ち位置で出てくるので、それを確認したかったというのが再読の動機。

けっこうドライな文体だったのね。文のひとつひとつが短く、それだけで文章全体が締まっている。「罪悪感」がけっこうキーワードかな。人間の存在そのものがもつ「悪」性。その罪悪感に苛まれ人間は苦しみ、それでなくとも絶望的に死に向かっている。トノサマバッタの群れのように。それと同時に、生きなければならないことも必然だったりする。