- 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,前田敬作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/05/04
- メディア: 文庫
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職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外された姿を抉り出す。
(背表紙解説)
カフカ未完の長編。過去に2回ほど読もうとして挫折している。測量師のKは「城」から仕事を依頼され、その城がある、雪深いとある村に到着するが、城からのコンタクトはなく、かといって窓口も判然としない。Kは、城と城のまわりの人びととのあり方(関係性)に翻弄され、いっこうに城と接点をもつことができないでいる。それが延々と続く。Kは主体的であるようでいて、主体的でなく、意思をもっているようで、もたされていない。とてもじれったくて読むのがつらい。
Kは自らの判断にわりと自信があるように描かれているが、実際にはイニシアチブは自分にはない。読んでる最中は話がなかなか進行しない(Kは城のまわりをぐるぐるめぐっているだけだ)かなりイライラするし、長いので疲れるが、読後にジワジワと味が出るたぐいの小説。でも、おれのなかの眠っていた「実存」熱(笑)が目覚めそうだw