- 作者: 山野井泰史
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: 文庫
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さて、クライマー山野井泰史による登攀記。虚飾のない淡々として強い文章。ひたすら岸壁に挑んでいる描写が続くが、山の冷たさが緊張感を与え、読んでるとなにか神聖なものに触れている気がする。
「不死身だったら登らない。どうがんばっても自然には勝てないから登るのだ」
僕は、日常で死を感じないならば生きる意味は半減するし、登るという行為への魅力も半減するだろうと思う。
(中略)
登山家は、山で死んではいけないような風潮があるが、山で死んでもよい人間もいる。そのうちの一人が、多分、僕だと思う。これは、僕に許された再考の贅沢かもしれない。
(コラム「山で死んでも許される登山家 死」*Kindle版のためページ表記なし)