読書記録『島原の乱 キリシタン信仰と武装蜂起』(神田千里)

島原の乱 (中公新書)

島原の乱 (中公新書)

島原の乱を幕府のキリシタン弾圧に対する抵抗、つまり体制によるマイノリティへの抑圧としがちな史観を再考する。正直いって高校までの日本史で、島原の乱をそこまで詳細に習わない。たまたま遠藤周作の『女の一生』(新潮文庫)を読んで、日本におけるキリスト教徒迫害を知りたくなったので手に取った。

資料を羅列してつなげているので、けっこう文体や構成は退屈だし固有名詞はアタマに入ってこないが、当時の大名や民衆の様々な事情、立場から多面的な側面をもつ島原の乱を描いている。読後感はただ、カオスだなぁ……、という感じ。でも勉強にはなる。