- 作者: 井上靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1963/11/07
- メディア: 文庫
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登山家・小坂と魚津、魚津の上司の常盤といった男たちの友情。恋愛。山岳での出来事が舞台の小説ですが、純粋な登山を描いたというよりは、都会と自然、理性的なものと非理性的なもの、合理性と非合理性とが対立(あるいは共存)する世界観を表現していると思う。理性では割り切れない世界、論理では説明しきれない世界(オカルト的なものではなくあくまでも日常的なレベルでの)、そういったものを井上靖が書こうとしているように感じられ、その点が自分の日々の問題意識と重なってかなり興味深かった。