Bo-ku,Wata-shi,O-re.

最後の電車は闇に逃れ
雨上がりの河口は窒息
虫けらも住まいを追われ
鳴声は遠く

前も後ろも
右も左も消息は絶え
名を失う

失って
不思議なものだ
初めて存在が始まる

時間を置き去りに
ただ空間だけを吸い込む
その都度
瞬間

部屋の鍵をさし込む
名を獲得し
あったものは
どこかへ

名前を得るその瞬間
どこかへ