読書記録

背中がコリすぎて集中力がなく(もともとかなり注意力散漫ですが)、最近まったく本を読んでいなかったのだが、整体に通うようになってかなりマシになったので最近読んだものを記録の意味も含めとりあえず羅列(リハビリを兼ねた再読も含む)。なかなか思うところも多かったので、関連してなにか近いうちにアップしたいなあ(すでに書くといって放置のままの記事がありますが)。

へうげもの(12) (モーニング KC)

へうげもの(12) (モーニング KC)

今更ですが最近再読したので。12巻は秀吉の最期がメイン。本能寺(2、3巻)、千利休切腹(9巻)など大物が死ぬときのこの漫画の表現はとても迫力のあるもので、いちど読んだら忘れられないインパクトがある。ギャグ漫画ぽいですが、キャラクターそれぞれが、めいめいの欲(物欲、出世欲、性欲…)にとらわれ、それらが絡み合う秀逸な展開。特に利休の最期を描いた9巻は構図そのもの、演出ともに壮絶。ちなみにほとんどフィクションです。そろそろ13巻が出るのかな。すでに文庫化も始まってますね。

決壊(上) (新潮文庫)

決壊(上) (新潮文庫)

決壊(下) (新潮文庫)

決壊(下) (新潮文庫)

近ごろいかにもありそうな「ネット社会の暗部」に絡むバラバラ殺人のハナシ。ふつうこういうタイムリーな題材を用いるといかにも陳腐になるが、土俵際で爪先がしっかりこらえてる印象。それは文章が確実だから(と思う)。ミステリーでもなんでもない。いちおう「文学」的な雰囲気を漂わす印象(著者はデビュー当時、三島由紀夫の再来とかいわれていましたから)。文庫化されて店頭に並んでいたのを見かけ、ふとまた読みたくなって家にあった単行本を再読。弟を殺害した被疑者として扱われる主人公、に共感できるかどうかがオモシロく読めるか否かのひとつの分かれ目かもしれない。理性と論理が暴走し、切なく崩れ去っていく。関連して少し細かいことをいうと、最終節の“permanent fatal errors”という題名は絶妙。もっと情熱的に生きたい!感情に身を任せて振舞ってみたい!という願望を持つ、何をするにも悶々とまずはアタマで考えて行動できないタイプのひとにオススメ。オススメできないのは、ビョーク主演の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をまともに観られないひと。絶望的すぎて、ひーっ、ってなります。

新装版 海と毒薬 (講談社文庫)

新装版 海と毒薬 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)

オトモダチがよいといっていたし、宗教絡みのものは昔から興味があるので。遠藤周作はこれからまとめて読もうと思います。ぼくら日本人が感じている「やりきれなさ」を執拗に描いているような作家(のような気がする)。うえに書いた『決壊』の「理性と論理の暴走」に絡めて、もっとたくさん読んでからしっかり掘り下げて考えてみたい。

最後の冒険家

最後の冒険家

変態!気球男!の冒険譚(ノンフィクション)。いやー、変態ってホントにすばらしいものですね!って思わせる著作(ちなみにぼくの仲間うちでは「バカ」や「変態」は勲章がつくぐらいの褒めコトバなんですよ)。ぼくは、変態は死なない、って思っていたけど、でも、どんなに常人離れした変態でも、ひとはある日突然簡単に死んでしまう、という絶対的な現実がある。なんのために生きているのか、ということがふとぼくのアタマをよぎるときがあって、ただ生きること以外に明確なものが見いだせないけど、生きるために生きる、と思う瞬間は決して恥ずべきものではないのかと。大義名分などなくとも。まあ、死ぬも生きるも自分ひとり、っていう(ネガティヴな意味ではない)「孤独」が前提にはなるし、そんなのエゴだ!って批判ももちろん正しいとは思うけど。しかし冒険家にもいろんな人種がいるんだなー。

孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)

孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)

いまのところルソーにあまり興味がないので、読んでも全然わからない。

注)このブログはカテゴリ毎に文体を意図的に変えています。