読書記録『チェ・ゲバラ伝 増補版』(三好徹)36-2017

増補版 チェ・ゲバラ伝 (文春文庫)

増補版 チェ・ゲバラ伝 (文春文庫)

日本語で読めるゲバラ関連の本で、もっとも網羅的かつ魂がこもっているものは本書ではないかと思われる(完全に主観)。類書はいくつかあるが、キューバ革命からゲバラの死まで、いっきに読ませる勢いがある。これまでゲバラ関連の映画もいくつか観たが、「ゲバラ前史」といえる青春映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」を置いて、ほかに「おもしろい」のがない。

今年観たオダギリジョー主演の「エルネスト」も、ゲバラが広島を訪問したあたりまでは、日本人としては惹きつけられる映画だったが、なぜゲバラがそこまでして革命に身を投じたのか、そしてゲバラとともにボリビアで革命に身を投じた日系人フレディ・マエムラもなぜそこまでゲリラ戦に惹きつけられたのか、映画の短い尺のなかでは、事前の知識がないとよくわからない。