読書記録『冷血』(トルーマン・カポーティ)

冷血 (新潮文庫)

冷血 (新潮文庫)

映画「カポーティ」を昨年暮れにたまたま観て興味をもったので。カンザス州で起きた一家4人惨殺事件を取材し書き上げた「ノンフィクション・ノヴェル」。先に読んだ『戦艦武蔵』(吉村昭)もノンフィクションの名作だった。いまノンフィクションがおもしろい。作者の執念というか、すさまじい情報量で、ものすごいエネルギーが注がれて作品が出来上がっているのが、ありありと感じられるのが楽しい。『冷血』のもととなった、カポーティの取材の様子を映画として描いた「カポーティ」も、静かで美しい作品と思う。