- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1990/06/27
- メディア: 文庫
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死ぬことへの悲しみを描いた単なる「泣ける」話では決してない。きれいごとではなく、人間のエゴイズムをえぐったある意味で感動的な小説だと思う。しかし、ひたすら事実を描き続ける吉村昭の文体は、「私」の価値観の押しつけを回避し、読者を挑発する。「なにが正しいか」と問う小説ではなく、「なにを愛するのか」という問いを投げている。
死ぬことへの悲しみを描いた単なる「泣ける」話では決してない。きれいごとではなく、人間のエゴイズムをえぐったある意味で感動的な小説だと思う。しかし、ひたすら事実を描き続ける吉村昭の文体は、「私」の価値観の押しつけを回避し、読者を挑発する。「なにが正しいか」と問う小説ではなく、「なにを愛するのか」という問いを投げている。