読書記録『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(辻野晃一郎)

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)

タイトルが長い。前半で描かれるソニーでの著者の立ち回りが、なんか主観的すぎておれにはおもしろくない(そのほうが感情移入しやすいか)。「自分は正しいが、理解しないイケてない上層部はおかしい」という視点が基調である印象を受けてしまう。じっさいそうだったにせよ、生理的に受け付けない読者もいるのではないかなあ。

後半のグーグルのマインドの話はふつうに興味深くて勉強になりました。日々働くときの意識としても参考になります。

働く人は、自分が現在価値を守る立場で仕事をしているのか、将来価値を生み出す立場で仕事をしているのか、という視点を常に持つべきである。会社全体としては、日々の糧を得る、という視点では「現在価値を守る」ための行為も必要だが、常に成長する会社であり続けようと考えるのであれば「将来価値を生み出す」ための卓越したビジョンや勇気、その上での覚悟と計画に基づいた経営資源の継続投入が不可欠だ。そのようなバランスを欠き、日々の糧を得るための短期的な結果に一喜一憂しつつ、ひたすら現在価値を食い潰すだけの企業には未来はない。(pp.321-322)