- 作者: 高山一彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/09/21
- メディア: 新書
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陳腐ないい方だが、この本はおもしろい。なにがおもしろいかというと、フランス開放のためにたたかい、終いには「異端」とされて火刑に処せられるも、死後、復権裁判で「聖女」とされたジャンヌ・ダルク。そのとても興味深い存在が、後世の人間にいかに受容されたか、いかに描写されたか、それをジャンヌへの愛情いっぱいに、しかもがんばってその溢れる想いを抑制しながら客観的であろうと努力する筆者の必死の形相が感じられるからだ。
この手の本は、いかに筆者が対象を愛しているか、それがおもしろさに直結している。