ようやく読了。最近、仕事の時間割の関係で体力、気力ともに読書モードではなかったので、だいぶ時間がかかってしまいました(速ければいいというものでもないが、それにしても文脈を忘れるくらい時間を要した)。
- 作者: 遠藤周作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1986/06/27
- メディア: 文庫
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藩の命によりローマ法王への親書をたずさえメキシコ、スペインに渡り、その目的を遂げるために「かたちだけ」ながらキリスト教の洗礼を受ける侍・支倉。その日本人たちを案内する、日本での正統な布教の権利を得んとする野心と、信仰心とのあいだで葛藤する宣教師・ベラスコ。目的を遂げられず、失意のまま帰国した彼らを待ち受ける鎖国、キリシタンへの弾圧。時代のおおきな流れのなかで、個々人はいかに生き、思うにまかせぬ世界とどのように折り合いをつけていくのか。
すべては主の受難の状況とそっくりである。主もまた大祭司カヤパの住む政治の世界では翻弄され、見棄てられ、ゴルゴダの丘で十字架にかけられ給うた。だがその敗北された主が勝利を得られたのは人々の魂の世界においてであった。たしかに私(引用者注;宣教師ベラスコ)も今度の旅で、政治の世界では敗れた。だがあの蜥蜴のような国(同;日本のこと)が私を打ち破ったのはその面だけなのだ。(p.343)
キリスト教道徳ということで、思い出した書籍を挙げておきます。
- 作者: ニーチェ,Friedrich Nietzsche,木場深定
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1964/10/01
- メディア: 文庫
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道徳は復讐である―ニーチェのルサンチマンの哲学 (河出文庫)
- 作者: 永井均
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 文庫
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