読書記録『地獄篇・偸盗』(芥川龍之介)28-2018

地獄変・偸盗 (新潮文庫)

地獄変・偸盗 (新潮文庫)

地獄変」は、一般的には芸術と道徳・倫理の相克ということだが、どちらも人間の欲ではあるわけだから、「道徳」とかいうとちょっと弱い感じがする。道徳的なものに従うのも、なんらかの生的な欲求によるものであろうから。ちなみに「偸盗」は芥川自身、納得がいっていない作品らしい(つまりあまり表に出したくない)。こういうものは読むべきか迷う。死人の墓を暴くような気がして。