読書記録『この土の器をも 道ありき第二部 結婚編』(三浦綾子)

この土の器をも―道ありき第二部 結婚編 (新潮文庫)

この土の器をも―道ありき第二部 結婚編 (新潮文庫)

作家・三浦綾子の自伝。『道ありき』に引き続き、結婚から小説家としてデヴューするまでを描く。困難の多い日常のなか自らを律して生きていくうえで、いかに「信じる」ことが重要かと思わせる。「信じる」、と書くといかにも陳腐な感じでがあるが、なにかを信じるということは、妄信とか、ひたすら「神」のような絶対的な存在にたいして祈るとか、そういう単純なことではなく、あきらかに「意思」による力によるものだと思う。ある意味その「力」は傲慢であるともいえるが、同じ傲慢でも、必要なものとそうでないものがあるのだろう。