読書記録『つぎはぎ仏教入門』(呉智英)

つぎはぎ仏教入門

つぎはぎ仏教入門

インテリゲンチャ呉智英による仏教入門。仏教徒ではない氏が『阿含経典』など、初期仏教の経典をひきながら仏教を批判的に概説する。主に「大乗仏教非仏説論」が主軸となる。エゴイストとしての釈迦、小乗と大乗との葛藤、仏教における「愛」の否定など、仏教の外側からしか描けない(と素人目には見える)仏教論を展開し、いままで読んだ仏教解説本のなかではいちばんおもしろい。最後の章では日本における仏教の現代的意義にも言及しており、読者が自分自身の問題として受け取りやすいのではないでしょうか。