読書記録『サド公爵夫人・わが友ヒットラー』(三島由紀夫)

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫)

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫)

三島由紀夫の戯曲2編。先般読んだ平野啓一郎の短編集『透明な迷宮』(新潮社)の「Re:依田氏からの依頼」に「サド公爵夫人」と「わが友ヒットラー」が出てくるので、そういえば読んだことがなかったと思い。

変態的な性癖で囚われの身となった夫、サド公爵を待ちつづけ、いざ公爵が自由の身になると出家してしまう、公爵夫人とその周囲の女性たちだけで構成される。「わが友ヒットラー」はその女性だけの戯曲と「対になる」男だけの戯曲。中道政治を演出し、国民の支持を得るヒットラーを描く。三島由紀夫は、シンメトリーが好きらしいです(p.234)。