今年のノンフィクション読書の一連の流れで。通勤のバスと電車でようやく上巻を読了。クラカワーのノンフィクションは『荒野へ』(集英社)以来。ほかには『空へ - 悪夢のエヴェレスト』(山と渓谷社)が映画化された「エヴェレスト」も観たことがある。
アメリカにおけるモルモン教徒による殺人事件と、その殺人に至るモルモン教、モルモン教原理主義の歴史を描く。感想は下巻も読んでから。さいきん読書量が落ちている。
ダグラス・アダムス氏は『銀河ヒッチハイク』というシリーズのユーモアSF小説で有名らしいが、初読。きっかけはノンフィクション作家の高野秀行氏が推薦していたし、動物が個人的に好きなので。ダグラスが絶滅危惧種を取材すべく、辺境の地に赴く、という内容。
コンテンツはけっこうシリアスながら軽妙で、絶滅危惧種そのものというよりも、その「保護」とそれを取り巻く人間たちを描いている。漱石だったか(違ったか?)が、「ユーモア=自己客観視」みたいなことを書いてたが、この本はその最たるものという感じ。翻訳なので原文の勢いがどれほど日本語で表現されているか興味がある。
難点はみすず書房で古本じゃないと高くて買えない。文庫化してほしいものだ。
平日の夜にランニングのトレーニングをするとなると、仕事の切り上げと夕飯のタイミングが最重要課題となる。そこに会社で働いているのか、在宅勤務なのか、そういう場所、関連して移動時間も絡んでくるので、意外とコントロールしなければならない要素が多い。仕事が死ぬほど暇だったり、いつも在宅勤務ができたり、飯屋が20時で閉まることで異常に混んでいたりしなければ、自分の思う通りに物事をコントロールし、ベストなタイミングで走ることはそう難しくない。
きょうは在宅ではなくかつ思いのほか仕事を早く上がることができず、家に帰ってすぐに走るには腹が減りすぎていて、けれども家に帰ってから夕飯にしていたのでは走るのが深夜になってしまう(飯から走るまで2~3時間は空けたい)ので、会社の最寄りの飲食店で済ませて帰ろうとしたのだが、コロナの影響なのか定休日でもないのに第一候補のニュータンタン麺はなぜかお休み、駅前のお店も20時前でけっこう混んでいたから、家の近くのお店にしようと。しかしそれではお店は閉まってしまうので、けっきょく帰宅してからの夕飯に。
少し前にテレビでもやっていたが、「夕飯難民」はけっこういるだろう。コンビニ様さまである。だがコンビニには悪いが、コンビニ食は食べ続けると全て同じ味に感じてきてしまい、プラシーボかもしれないが精神的にも身体的にも追い込まれていくような感覚になる。これは、仕事がきつく残業続きになるシーズンにコンビニ食が増える、という状況も大きく影響しているものと思われるが)。
と、ごちゃごちゃ書いているが、きょうはけっきょくランニングをしなかったのであり、その罪悪感から一時的に逃れるためにこうして書いているわけだ。まあいいや、いまはスギ花粉もピークだし、気負いすぎないようにしたい。そう思ったほうが、精神衛生上ベターだから、ということで。
明治時代に富士山山頂に初めて気象観測所を建て、じっさいに越冬観測を試みた野中到とその妻・千代子の物語。主役は千代子であり、明治時代という男性優位の社会のなかで、夫の到をサポートすべく命をかけた姿が描かれる。
自分が正しいと思うことを遂げるには、信念があれば常識など気にしてられないはずなのだ。信念などという言葉が自分の辞書にはなく、他人の目を気にして生きている自分の身を省みるほどに、千代子のような人間の凄みが際立つ。